20年もっと前か、酒場で絡まれたことがある。と言っても酔っ払っているのは二人組の片一方でもう一人はしきりに「すみません。すみません。」と謝っていた。覚えているのは酔っ払った方が「あんたら教師の仕事なんか楽やと思ってるんやろ！」と叫んでいたこと。こちらはそんなこと、思っても口にした覚えはないが。
今は激務の象徴のように言われる教職だがほんの何十年か前は楽な仕事の典型と言うのが世間の認識であったし、私もそう思っていた。実際、楽だったのかも知れない。
私が例の酔っ払いに絡まれたのは丁度そんな端境期、実際はどんどん激務になっていくのに世間の認識は楽な仕事だと思っている、そのギャップに鬱屈した感情が爆発したのだと思う。
先月末、ある郵便を出した。ここには書けない位重要な内容のものだったが、不注意でその人の引っ越し前の住所を書いてしまった。郵便局に聞くと宛先の住所と宛名が食い違っていたら配達員が持ち帰り、差出人に返送することになっていると言ってくれたが、悪いけど信用出来ない。
子供の頃の記憶だが年賀状など、毎年必ず数枚の配達間違いがあり、私はよく正しい宛先の家まで届けに行く役目を仰せつかった。持って行くと向こうの家の人が「そう言えばうちにも来てたわ。」・・・
宛先が大阪市だったので返送されるにしても一週間もかからないだろう、だが返送は届かない。間違って配達したあて先の人が開封していたら、最悪の予想が頭を駆け巡る。
郵便局に3回目の電話を掛けた。程なく返信があり、私の書いた宛先のアパート（マンション）が空室になので持ち帰って郵便局で保管しているという。良かった〜。
そう言えば思い出した。例の酔っ払いから「楽な仕事だと思っているのだろ！」と絡まれた時、「思ってるで。」と返したことを。
これから公務員に絡まれても「大変なお仕事ご苦労様です。」と応じることにしよう。
