おばあちゃんの話

アタック25、ネプリーグ、遂には脳ベルSHOW、毎週(毎日)楽しみにしていた番組が次々と過去の名場面集や再放送に変わっていく。見たあとから忘れてしまっていたら、また新しい回として楽しめるだろうが幸か不幸かまだそこまで脳が衰えていない。

 

 

仏涅槃図という仏教絵画がある。文字通り釈迦の臨終場面を描いたものだが、印象的なのは嘆き悲しむ弟子や群衆に混じって多くの動物、虎や獅子、鳥や昆虫までもが集まって身をよじって悲嘆に暮れている描写だ。絵画によっては周りの木々も色を変えたという逸話のシーンまで描かれている。(因みに、この仏涅槃図の最古にして最高の作品が高野山に収納されている。勿論、国宝。私は今まで本作を3回見た。)

 

お釈迦さまの生命がいよいよ危ないという時に真っ先に駆け付けたのがスズメ。反対に化粧をしていたので遅れたのがツバメ。だからスズメは見た目は茶色でけして綺麗とは言えないが、何でも食べれる逞しい身体と生命力を与えられた。それとは逆にツバメは綺麗な外観を得たが、好き嫌いが多い偏食家でひ弱な身体しか与えられなかった。

 

ツバメがひ弱かどうかはよく知らない。しかしスズメが逞しいことは確かだ。

 

私がこの話を聞いたのは実を言うと姉からだ。勿論姉のオリジナルではない。姉は父方の祖母からこの話を聞いている。

 

父方の祖母は4人いる祖父祖母の中で一番早く亡くなったので私は余り記憶がない。その点、4つ上の姉は格好の話し相手だったようで二人きりで長時間話をしていた様子はよく覚えている。

 

祖母がこの話を誰に聞いたか、勿論私は知る由もない。日本昔ばなしに出て来るような有名な話は多くの人が知っているし、今でも多くのメディアで接することが可能だ。しかし、このお釈迦さま臨終のエピソード話などは内容も示唆してくれる教えも、勝るとも劣らないのに少なくとも、姉からの伝聞以外にはどこからも聞いたことも見たこともない。実に勿体ない話ではないか。

 

誰か、このような”隠れた昔ばなし”を冊子にしてもらえないだろうか。