鳴かぬなら殺してしまえホトトギス 信長
鳴かぬなら鳴かしてみようホトトギス 秀吉
鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス 家康
は有名だが、松下幸之助氏が「私ならこう答える」と言ったのはどんな言葉か?何十年か前、社内の研修でこの質問があった。私は当然殆んどの人が知っているだろうと思ったが誰も知らなかった。答えは巻末に。
小学校の国語で習った狂言に「ぶす」というのがあった。完全に記憶はしていないが大体の筋は以下の通り。
ご主人が好物の蜜を人に取られたくないので「これは毒だから絶対食べてはいけない。」そんな嘘などとっくに見破っている小僧たち、少しでやめればいいのに余りの美味しさに全部食べてしまう。どうしよう。こっぴどく叱られると騒いでいるとある者が名案を思い付く。主人の大切にしている壺を木っ端微塵に。主人がカンカンになっているところへ先程の丁稚「すみません。私が壺を割りました。それで死んでお詫びしようと毒を全部食べたのですが死ねません。」ご主人、ぐうの音も出ず。
細かいところは違うかも知れないが概ねこのような話。
松下幸之助氏にも似た話がある。まだ創業初期、家内工業で営んでいた頃。生来病弱の創業者、2階で横になっていた。するとえらく下が騒がしい。何事かと降りていくと、こちらは真面目な松下社員「大切にしておられる壺を割ってしまいました。」
松下幸之助氏、一言「怪我はなかったか?」それだけ言ってまた2階に上がって行った。怒ってないのに一番こたえる。こんな叱り方の出来る人、そうは居ない。
それで、冒頭の答え。
鳴かぬならそれもまた良しホトトギス 幸之助
何もかも格好いい。こんな人の会社で働けたこと、やはり自慢だ。