あなたにとってお金とは

登録しているアンケートサイトでタイトル通りの非常に直截な質問があった。

 

「命の次に大切なもの」

そう書きかけてふと二の足を踏んだ。そんな風に言い切っていいのか?健康は?家族は?愛は?(これは考えなかった)

 

チャップリンは極貧の幼少時代を過ごしている。父はアル中、母は精神に異常を来たし、兄と孤児院に収容された。

 

そのチャップリンが自伝にこんなことを書いている。映画で大成功しアメリカでも指折りの大金持ちになってからのことだ。

「私に貧しい時代を懐かしく思い出すことはないか、その頃の方が自由だったのではないかなど、色々聞いてくるが全く迷惑な話だ。貧乏が私に教えてくれたのは金持ちに対する妬みと嫉みだけだ。私はお金の中に大きな自由を見出しているし、貧しかった時代を懐かしく思い出すことは絶対にない。」

 

今でも世界の最貧国と言われる地域では臓器売買が行われている。会社に居た頃聞いた話だが彼の地では片方の角膜を売れば現地の物価ならほぼ一生食べて行けるだけの収入になるという。そんな人たちにとっては自分の命の次にお金が大事というのはごく当たり前なのだろう。

 

現代の日本はセーフティネットが充実しているのでチャップリンの幼少時代のような極貧家庭は先ず考えられない。「何よりもお金が大事。」そう言い切ることに後ろめたさを感じるのは、本当の貧しさの経験をしたことがないからこその傲慢さではないだろうか。

 

もう一度言う「金は命の次に大事。」