サラリーマン時代、週刊文春を通勤電車内で読むのが習慣だった。一週間の通勤時間を掛けて連載小説以外は隅から隅まで読み尽くしたことは少なからず今の私の血となり肉となっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dbca39cef92630607071a93ea3a42ace62d9d627
このニュースを聞いた時、最初に頭に浮かんだのは手塚治虫氏の「アドルフに告ぐ」だった。(「アドルフに告ぐ」は週刊文春に連載された。)確かこの作品でもヒトラー=ユダヤ人説が採られていた。いや、それよりずっと以前、チャップリンの「独裁者」がリバイバル上映された昭和50年頃にもそのような文章を見た覚えがあるので随分昔からそのような説はあったのだろう。中にはチャップリンにもユダヤ人の血が流れているという説もあった。
誰の言葉か覚えていないが「世界でもっとも優秀なのは日本人とユダヤ人」という話を聞いたことがある。日本人のことは措くとして、チャップリンは勿論、ヒトラーも天才であったことは間違いない。アインシュタインもユダヤ人だ。だからこのふたりにユダヤ人の血が流れているという意見にはすんなり納得出来たし、当時はイスラエルが反発したというニュースを聞いたこともない。
それなのに今回はなぜこれほど強硬に反発するのか。ヒトラー=ユダヤ人説を認めると自らの民族を虐殺したことを認めることになるから、と言うが毛沢東やスターリンはヒトラーより遥かに多数の殺戮を自国民に対して行っていることは公然たる事実だ。
http://barbarossa.red/slaughterer-ranking/
数が問題ではない。ヒトラーは民族を壊滅しようとしたことが問題なのだ。という意見もあるが余りにご都合主義だ。それを言うなら欧米列強は黒人やインディアン(ネイティブアメリカン)にどのような態度で臨んだのか胸に手を当てて考えろ。
ヒトラーの肩を持つつもりは毛頭ないが何もかも彼ひとりに悪を押し付ける今の風潮もどうかと思う。同じ戦敗国の日本とて他人事ではない。