マスコミの欺瞞

仙台育英が優勝した。春夏合わせて200回近くの大会が行われているのに東北勢の優勝は初めてらしい。名球会投手の東尾修氏が京都の平安高校行きが決まっていたが尾藤監督の「地元に残って甲子園を目指そう!」という説得に負けて箕島に入学したのは56年前。平安に行けば学費、その他いろんな特典があっただろうが地元に残ることを決断した東尾さんの男気に改めて感動する。その頃既に有力選手のヘッドハンティングが行われていたとすれば200回の内、100回以上は「野球留学」の下に大会が行われていたことになる。それなのに東北勢が今年まで優勝出来なかったことが逆に不思議に思える。

 

友人調べだが仙台育英の県外出身選手は18人中9人、準優勝の下関国際は何と県外出身選手が17人だという。だから仙台育英の優勝には価値があり、もし下関国際が勝っていたら価値がない優勝だとか言うつもりはない。そんなことはどうだっていい話だ。

 

今年の世界陸上サニブラウン選手が100メートルの決勝に進出した。マスコミでは

「まさかこんな(日本人が決勝に残る)日が来ようとは!」

式の礼賛一色。しかし皆知ってるようにサニブラウン選手はガーナ人と日本人のハーフ。純粋な日本人ではない。こんなこと、もしマスコミが言ったら大バッシングを受けること間違いないが、ではボルト選手が2009年以前に国籍を日本にしていたらマスコミはこんな風に大騒ぎしたのだろうか。

「まさか日本人が100メートルの世界記録を達成する日が来ようとは!」・・・

 

勿論大騒ぎした。だって日本人だから、と胸を張った貴方。稀勢の里横綱になった頃のマスコミの大はしゃぎを思い出してほしい。

 

「日本人○年振りの優勝!」とか「日本人○年振りの横綱誕生!」という言葉をどれだけ聞かされたことか。そんなにモンゴル人力士が勝つことが面白くなかったのか。

 

面倒なので調べないが日本人が長く優勝から遠ざかっていた間、日本に帰化したモンゴル人力士はいなかったのか。もしいたらその力士の優勝は何故日本人の優勝としてマスコミに礼賛されなかったのか。

 

自身の勝手なご都合で人を差別主義者にでっち上げるマスコミ自身が最も差別をしている。こんな二面性は私の最も嫌うところだ。

 

高校野球の話、もう少し続く。