住みよい駅前ランキング

金鳥の夏、日本の夏」我々世代には美空ひばりさんのCMが懐かしい。この言葉通り昔は夏は蚊の対策が一大事だった。たった蚊一匹のためによく眠れなかった経験のある方も多いと思う。その蚊も最近の日本の夏の暑さには生命の危機を感じたようで夏の盛りには全くと言っていいほど姿を見せなくなった。そして2週間ほど前、ようやく暑さも峠を越えたかと思うと蚊が跳が飛び始めた。久しぶりに蚊取り線香の出番かと思ったらもう先週くらいから朝晩冷え込むようになり蚊も姿を消した。こんな短い活動期間で子孫を残すことに支障は出ないのだろうか。

 

金鳥の創業者は和歌山県の出身、蚊取り線香和歌山県が発祥だ。だが、こんなに蚊の被害が少なくなると蚊取り線香の需要も無くなるのではないか。他人事ながら心配だ。

 

 

某テレビ番組で関西駅前住みやすさランキングベスト10を選んでいた。選考基準は

①アクセス ②住まいのコストパフォーマンス ③買い物、グルメ ④自然 ⑤人情

 

和歌山はどうだろう。候補に挙がるのはJR和歌山駅(和駅)か南海電鉄和歌山市駅(市駅)何れかしかない。

 

先ず①。和駅、市駅とも大阪(天王寺、なんば)まで乗り換えなしで行けるのは有難い。だが昔からの推移を考えるとけして喜んでばかりもいられない。先ず阪和線南海線とも電車の本数が半減した。言うまでもなく関空の影響である。大阪を出る電車の2本に1本は泉佐野関空行きに路線を変えた。泉佐野以北の住民に変化はないがそれより南の住民はまともに影響を受けた。正に「扇風機の裏側」そのものである。では時間はどうか。本数が減った分、速くなっているのならまだしも納得のしようもあるが、これがまた変わっていない。私がなんばによく行っていた中高生の頃から市駅〜なんばは1時間。今も1時間。つまり50年近く全くスピードアップしていないことになる。阪和線はもっと酷い。通勤時間帯を除き、全車日根野まで各停になったので昔より余計時間が掛かるようになった。全国のJR、私鉄で県庁所在地同士を結ぶ電車が50年来速くなっていない路線なんてあるのだろうか。

 

②住まいのコストパフォーマンス。駅前マンションの価格、広さが基準になるがこれは分からない。と、言うか和駅、市駅とも該当する物件がない。今回、京阪神以外から唯一ランクインした滋賀県草津駅タワーマンションが林立し、私の記憶にある駅前の風景ではなかった。もっとも和歌山は分からないが土地の値段が高いことは事実らしい。昔生まれ故郷なのに何故和歌山に工場を作らないのか聞かれた松下幸之助氏が「交通の便が悪いのに土地が高い。メリットおまへんわな。」と答えた話は有名だ。

 

③和駅のグルメは何とか納得出来るレベルにあるが買い物は中規模のスーパーが1軒あるだけ。私のようにスーパーのはしごが趣味の者にとっては甚だ物足らない。市駅はどちらも全く駄目。グルメはさっぱりだし、買い物も少し前キーノというスーパーらしきものが駅内に出来たが高過ぎる。とてもではないが日常の買い物には利用出来ない。

 

④少し足を伸ばせば自然に触れられるという事が問われているが和駅も市駅もそれらしい場所が思い浮かばない。車で数十分出掛ければそれなりの所はあるだろうが、そんなの何のアドバンテージにもならない。どちらからも自転車で20分位で和歌山城に行けるのでそれで勘弁してもらおう。あれを自然と呼べるのか異論はあるだろうが他に無いので仕方ない。何年か前、城内で野生のリスを見たときは理由なく感動したものだ。

 

⑤真の人間性は分からない。だが自戒も込めて和歌山市民全体、他人にフレンドリーな町ではないことは認めなければならない。言葉も荒っぽいし、他人に親切とはとてもではないが言えない。これと関係があるのか分からないが信号のない横断歩道で車が止まらない県のワースト5には堂々と入っている。

 

という訳で住みよい駅前ベスト10にはかすりもしなかった。まあ、分かってたけど。