賢いと悪どいは紙一重

和歌山市出身の作詞家、及川眠子さんはここ四半世紀以上年収が3千万円を下回ったことはないと自身で明かしている。印税の賜物だ。何しろ全国のカラオケで自分の曲が歌われるたび入ってくるのだから。

 

及川さんでこれだからユーミンともなるとその金額は大袈裟ではなく天文学的な額になること間違いなしだ。と、ここで改めて先回触れたCDを見る。

https://sp.universal-music.co.jp/yuming/50thbest/

私のような彼女に特段の興味のない者でも半分以上は知っている曲が占めている。説明を見る限り新たに録り直した訳でもなさそうだ。このCDの内、何曲がこのアルバムのために新たに作られたのかは知らない。でも大半は既にレコード会社にある音源をそのまま、曲順とタイトル、ジャケット写真のみ新たにすれば、それがまたベストセラーになってしまう。勿論買う側がいるから、の話だがこんなボロい儲け話もそうはない。

 

でもこれって何もユーミンだけの話ではない。具体名は挙げないが殆ど内容の重複した書籍を次から次へと出している連中の何と多いことか!

「定年後はこんな暮らしをしよう」という大同小異の本ばかり書いているH兼氏。

 

「老人は健康診断の数字など気にしなくて良い」という本ばかり書いているW田氏。

 

90歳になった時に出した本がたまたま売れたので味をしめたのか同じような本ばかり出しているS藤氏。

 

こんな例は他にもいっぱい居る。何年か前、書店のかなりの部分を反中本、反韓本が占めていた時代があった。見ていてけして気持ちのいいものではなかったがその時の時流に沿った本を色々な人が論ずるのはまだ分かる。でも今は同じ人が書いた、内容も殆ど変わらないものがタイトルのみ変えて堂々と売られている。よく恥ずかし気もなく出せるものだ。完全に読む側を馬鹿にしている。

 

出版不況と言うが、出版社がこんな姿勢だから読者に見放されているのではないか。

 

猛省を促したい。