日本記録より大谷?

あの悔しさと落胆は今も忘れない。2008年の北京オリンピック野口みずき選手の欠場が突然発表された。直前に柔道の谷本歩実選手が優勝し、喜びの絶頂にいただけにその落差は果てしなく大きかった。

 

私は今でも確信している。もし野口選手が出場していれば間違いなくアテネオリンピックに続く連覇を果たし、日本に3大会連続の金メダルをもたらしていたであろうことを。そうあの頃の日本女子マラソンは実に強かった。アテネオリンピックでは野口選手以外の2選手も入賞。今のケニアエチオピアのような地位を日本が占めていた。

 

その野口さんの日本記録が今日の大阪国際女子マラソンで19年ぶりに更新された。https://news.yahoo.co.jp/articles/06dc44b6b389e836915de0fb23aa1c092ab5cf4c

 

この全てものものが日進月歩の時代に19年も破られなかった記録を打ち立てた野口さんも凄いが逆に19年も破れなかった後進の選手達は何をやってたんだという意見も当然出るだろう。

 

好角家の間で今の力士と昔の力士、例えば白鵬大鵬が対戦すればどちらが強いだろうということがしばしば話題になる。一般的には今の方が身体もデカいし強いに決まっているという意見が多いが意外と差は(特にトップの選手の)ないのかも知れない。野口さんは身長150センチ、恵まれた体格とは到底言えないし、シューズなどは遥かに今の方が改善されている筈。なのに何故?

 

土俵の鬼と呼ばれた初代若乃花は弟の貴乃花について公の席ではあいつの稽古には文句のつけようがないと誉めていたが、私的な場では俺の半分もやっていないと不満を漏らしていたという。野口みずきさんや高橋尚子さんも表立っては勿論口にしないが同じような思いを持っていたに違いない。

 

箕島高校を4度の全国制覇に導いた名将、故尾藤監督も選手の気質をボールに例えて昔の子は押さえたら同じ力で反発してきたのに今の子は凹んだままなのでやりにくいと言っていた。指導者にとっても大変な時代になったものだ。

 

ともあれそんな時代背景の中、前田穂南選手は堂々の日本記録を更新した。このことはどれだけ称賛してもし過ぎることはない。

 

それなのに今日のスポーツニュースは大谷選手が英語でスピーチしたこと一色で前田選手の日本記録は三面記事扱い。もう6年もアメリカに居れば英語を話せない方がむしろ不思議だと思うが、たった数分スピーチしたことがそんなにニュースバリューのあることか?

 

本当にいい加減にして欲しい。