人情味が薄れた

あるお笑い番組の企画で20XX年に起こるかも知れないことというお題で優秀賞を取った作品に

「万代百貨店、アマゾンを買収」

というのがあり、思わず笑ってしまった。(その頃万代百貨店は和歌山になかったので笑ってしまったのだが実店舗を見るとこれはひよっとすると?やっぱりないか。)

 

アマゾンは私も時々利用する。品揃えは豊富だし、配達は迅速だし、何より安い。結構尽くめかと思いきや、利用のしやすさには少々難があると言わざるを得ない。

 

例えば何か商品を検索する。最初はオススメ順で表示されるがその時のヒット件数を100とすると値段順や新しい順に変えると件数が70に減ったりする。減った30は何なのか。

 

レビューの管理もなおざりだ。私はよくCDを検索するが全く違うCDのレビューがそのままダブって載っている場合も多い。

 

不良品や誤配送への対応も同様だ。間違った物が届いたり、未着の経験が何回かあるが私の場合は何れも返金するので誤って届いた物はそちらで処分してください、という返信だった。本来なら正しい物を送って誤って届いた物は返送してくださいというのが筋だと思うが、あれだけの規模になるとそんな細かい対応はやってられないのだろうか。代金を返したんだから文句はないだろう、そう言われているようであまりいい気はしない。

 

今このドラマを見ているhttp://ysotake.movie.coocan.jp/abierto/kinoshitatv/page079.html

小さな工務店が舞台の53年も前の作品。見ていると施主と工務店の関係が実に濃密だ。ちょうど施主の奥さんが出産したこともあり、まるで本当の親のように工務店の女将さんが世話を焼く。昔はこんなのが当たり前だったのか、それともドラマだからだろうか。

 

DVDレコーダーが出回り始めた30年位前、昔のディスクは馬鹿高かったくせに品質が悪く、10枚買うと1枚は端から使えない、録画したのにしばらくすると見れないなどが当たり前のように起こっていた。私は何回かディスクの製造元に見れなくなったディスクを送ったことがあるが大体は解析結果と自社の機器でコピーしたディスクを付けて返送してくれた。今でもこんな親切な対応をしているのだろうか。

 

こんなこともあった。最初に買ったレコーダーは今だからこそ言えるがSONYだった。DVDレコーダーの特性として9:00〜10:00の番組に続けて10:00〜11:00の番組を録画すると前の番組のお尻が10秒ほど途切れる。取説にも書かれていたと思うがそんな事を知らずに使っていて悲劇は起こった。丁度日本で冬のソナタの放送があり、その最終回のお尻が切れてしまった!前の回までは次回予告なのでお尻が切れても大きな問題ではなかったのだがよりにもよって最終回。見るとまだ本編の真っ最中なのに無惨にも録画がストップして見られない。

 

ダメ元でSONYに手紙を書いた。どんな文章を書いたのかは覚えていない。多分、肝心の最終回の結末が欠けてしまってショックですというようなことを書いたのだと思う。

 

すると何日かしてSONYから封書が届いた。開けるとディスクと共に便箋が添えられており、「大変ご迷惑をお掛けしました。職場内で探した処、冬のソナタの最終回を録画していた者がいましたのでコピーしたディスクを送ります。」との内容が書かれていた。

 

私は感動すると共にSONYという会社を誤解していたことを恥じた。当時の日本で一番そんなことをしそうにない会社だと思っていたからだ。

 

今の日本にここまで親身に対応してくれる会社はあるだろうか。返事がないか、あっても取説にも書いている通り何秒か欠けます、という返答が来るだけだろう。テープもディスクも昔に比べ圧倒的に安くなった。一本のテープ、ディスクをお釈迦にした時の精神的ダメージは比較にならないほど小さくなったことは確かだ。だからといってユーザーに寄り添う気持ちは薄れてほしくない。