知らぬは知らぬとせよ

この年になっても(なるまで)勘違いしていたことは案外多い。

 

例えば「頭寒足熱」という言葉の読み。私はつい数年前まで「とうかんそくねつ」と信じて疑わなかった。

 

一昨日の経済番組で知ったのだか「金持ちは缶コーヒーを買わない」という言葉。類似タイトルの書籍「なぜお金持ちは缶コーヒーを買わないのか」も見た覚えがある。

 

私はこの言葉はてっきり「金持ちは缶コーヒーのような安物は飲まない。飲む時はちゃんとした喫茶店で飲む。」という意味だと思っていた。処が昨日のテレビの解説で聞いたのは全くの逆。「1本¥100程度の缶コーヒーでも1日に2、3本も飲んでいると、それだけで年間数万〜10万円の出費になる。金持ちはペットボトルに水を入れて持ち歩く。」というものだった。また勉強になった。

 

因みに当該番組で紹介されていた富裕層の特徴は下記の通り。


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ここは私の独白スペースなので己の無知について書くのに抵抗はないが、公衆の面前、しかも地位ある立場の人が知らないことを晒すのはそう簡単なことではない。

 

それで思い出すのは、私の尊敬してやまない双葉山の話。引退後日本相撲協会理事長として記者会見に応じていた時、ある記者が簡単な外来語を質問に入れた。子供でも知っているような言葉だったらしいが、時津風理事長(双葉山)は知らなかった。さて、どうしたか。

 

「それはどういう意味ですか?」時津風は堂々と聞き返した。普通なら知ったふりをするか、適当に誤魔化すだろう。ところが彼はそうしなかった。自分の知らないことを聞くのに何のためらいもなかつた。「何という偉い人か。」そこに居た記者一同深い感動に包まれたという。

 

不覚にも涙が出て来た。筆を置く。