ダイレクトドライブレコードプレイヤー

水戸黄門で黄門さまのお陰でいがみ合っていた家族、あるいは家同士が仲直りする、というパターンがある。親に反対されていた結婚を許された夫婦に掛けるお決まりの言葉が「一日も早く可愛いややこ(赤ちゃん)を見せてくださいよ。」もう何回も聞いた。

 

この言葉、今のドラマで使えるだろうか。おそらく使えない。政治家が結婚式の祝辞で「最低二人子供を作ってください。」と言ったことが問題視されるご時世だ。

 

ごく一部だが今回の森会長の問題に関し、マスコミがいじめ過ぎという意見がある。森会長がどれだけ「余人をもって代えがたい」人物か知らないが、私も森会長に失言の前科がなく、逆切れなどすることなく記者会見を無難に答えていれば辞任するまでのことにはならなかったと思う。「女性のいる会議は時間がかかる」は一発アウトになるほどの問題発言とは思わないが、これだけ大々的に報じられたのも、現今の時代背景があるのだろう。

 

 

前のブログで聞きに行ったオーケストラの腕前を「弱音部のアンサンブルを除けば一流」と書いた。楽器ひとつ弾いた事のない私が言うのも僭越だが、何故か一生懸命弾いている部分の方が良く合っている。

 

不思議なようだがこのことはマラソンを先導する白バイの運転を想像すれば、数十キロの定速で走るより、人の速さに合わせて走る方がずっと難しい。それと同じことではないだろうか。

 

私は就職先を選ぶに当たり、趣味だったオーディオメーカー、中でも松下電器を第1希望にした、その大きな要因のひとつがダイレクトドライブレコードプレイヤーを世界な先駆けて発売したことへの憧憬があった。それまでのプレイヤーは高回転するモーターをベルトでターンテーブルに繋ぐ方式が主流だったが松下電器(テクニクス)はゆっくり、しかも安定して回転するモーターを発明、世界初のDDプレイヤーを世に出した。

 

私は理系ではないので、想像するしかないが1分間に100回転するモーターを作るより1分間に3回転しかしないモーターを作る方がずっと難しいのではなかろうか。

 

強音部より弱音部の方がアンサンブルを保ちにくいのも、これと同じ理屈ではないかと思う。