出来てしまったことは・・・③

昨日、数年振りに岩出市根来寺に行ってきた。前日新聞の「桜散り始め」の情報を頼りにしていたが、完全に散り終わっていた。まあ、この程度の誤報なら笑って済ます。私は心の広い人間だ。

 

桜の季節以外は訪れる人も少ない根来寺だが、寺格は相当に高い。師弟関係で言えば京都の智積院や奈良の長谷寺は弟子筋に当たる。石川県の輪島塗りもルーツを辿れば根来塗りだ。

 

その根来寺、関係者にコロナが出たのか4月9日まで拝観停止になつていた。帰ってホームページを見たが一行も触れられていない。本来なら真っ先に書くべきだろう。こんな事だから年中閑古鳥が鳴いているのだ。私は心の狭い人間だ。愛すればこそだが。

 

 

①で書いたように昔はテレビの録画なんて夢のまた夢だった。いわんやパソコン、スマホ

 

今にして思う。ビデオもパソコンもない時代、皆何をしていたのだろう。リアルタイムのテレビを見る以外で。ラジオは後に受験勉強の時期に聞くようになったが、けしてお茶の間の中心てはなかった。

 

外でよく遊んだ。これは間違いない。不思議なことだがドーナツ化現象で今の方が過疎化している筈なのに空き地があった。公園もお年寄りのゲートボールに占拠されていなかった。友人の家でもよく遊んだ。時間を忘れて夕方遅くに親から電話が掛かってきたことも2度や3度ではない。

 

では家に帰ってからは?今更自慢でもないが、私は中3の受験時期までは宿題以外の勉強をやったことがない。塾や習い事とも一切無縁。数年だけ空手教室に通っていたことがあるが、ある大会の組手(試合)で蹴りを受けた人の歯が吹っ飛ぶのを目の前で見て怖くなって辞めた。

 

やはりよく本を読んでいたのだろう。とは言っても自身であまり買った覚えはないので家にあった本。ジャンルはそれこそ無作為。冠婚葬祭の本、佐賀潜さんの法律本、浪越徳治郎さんの指圧入門なんて本もあった。

 

自分と一緒に書くのは非常におこがましいが、松下電器の山下元社長も大変な読書家でお子さんの述懐では読む本が無くなったら時刻表も読んでいたとか。

 

その山下社長、工業高校卒なのだが話をした人は皆一流大学出身と思い込んでいたらしい。話に奥行きと教養があつたのだろう。

 

もし、私の書いている内容や言葉遣いに少しなりとも物識りの片鱗を感じて頂けるなら、きっとその頃の読書体験が活きているのだろう。

 

ビデオやパソコンのない時代に子供時代を過ごせたことは幸せなことだった。