複雑な性格

本ブログの最初期、こんな経験を書いた。

小学校の3、4年時担任の先生がこんなことを言った。

「今から紙を配るのでクラスの誰か宛に手紙を書いてください。手紙にはその人の良いと思う点、直して欲しい点を書いてください。自分の名前は書かなくても構いません。」

 

今こんな事できるだろうか。一部の生徒に手紙が集中する一方で一通も来ない生徒もあるだろう。結果私には2通の手紙が来た。良い悪いは別にして、それなりに目立っていたのだろう。貴重な2通のその内容は半世紀近く経った今でも一字一句覚えている。

 

ひとつは非常に小さな文字だった。文字だけで性別の判別は難しかった。

「あなたはとても親切です。少し内気すぎてよくないのでは。」

 

もう一通は先生が黒板に書くような力強い、はっきりした文字だった。

「眼が素敵ですね。もう少し優しくなってください。」

内容からして、こちらは女子生徒だろう。私はこの手紙(メモ?)を人生で初めて受け取ったラブレターと固く信じている。信じさせてくれ。いつ、何故捨ててしまったのだろう。我が人生の最大の痛恨事のひとつだ。

 

それにしてもある人には内気すぎるように見え、ある人にはもっと優しくなって欲しいと思われる私は当時どんな生徒だったのだろう。今もそうだが私は相手によって態度を変えることのない(出来ない)人間だ。でも子供の純真な眼には本質が見えていたのかも知れない。

 

内気、粗暴。どちらも私のまごうことなき一面なのだろう。