考えるまでもない事が分からない

次女が結婚で電化製品を買い揃えていた時、長女にもテレビを買い替えてやろうと思い意向を聞いた。折よく更なる大画面化、高画質化が進み僅か2、3年で大きく進歩していると感じていたからだ。

 

長女からは有難いが今まで録画したものは見れるだろうかという質問があった。勿論見れる。録画はレコーダーの役目。テレビは見るだけのもの。当たり前の話だが微笑ましい。心配する気持ちが何となく分かるからだ。

 

私の子供の頃、雑誌のクイズにこんなものがあった。「小さな画面のテレビにはジャイアント馬場の全身は映らない。○か✕か。」勿論映る。富士山でも地球でも映るのだから。だがこれも一瞬、うんどっちかな?と考えた子供は少なくなかった筈だ。

 

何度も言って本人には耳タコだろうが、うちの子供達は食塩水の問題が苦手だった。

 

例えば2%の食塩水と3%の食塩水を混ぜれば何%?という問題。答えは2%と3%の間になるのは分かり切っている。プール一杯の2%と耳かき一杯の3%でも同じことだ。

 

なのに本人は1.5%とか4.2%なんて答えを書いて涼しい顔をしている。一体どんな計算をすればそんな答えが導き出せるのか。そちらの方が余程不思議だったが結局最後まで直ることはなかった。まさかとは思うが赤ちゃんのミルクの濃度を間違えていないだろうか。

 

一方、分かる本人には当たり前でも常人には及びも付かないこともある。ある精神科医が書いていたがある種の知的障害者は西暦何年の何月何日は何曜日かを瞬時に答えると言う。過去何百年でも、未来の年月でもだ。

 

何故分かるのか聞くと、そんなもの別に考えるまでもない決まり切った事ではないかと逆に不思議がられるそうだ。

 

オリンピックを開催しても問題ないか、尾身会長はじめ多くの医師が最後の抵抗を示している。それに対してある与党幹部からは分を弁えない発言だと批判する声が挙がっているとか。国民の生命、安全を第一に考えない貴様の方が余程分を弁えていない。

 

 

コロナ患者を受け入れている病院のある医師はこうまで言った。

「私達が必死で消火活動をしているのに後ろからガソリンを撒かれたら火は燃え広がるばかりだ。」

 

凡人でも分かると思うのだが。