有難い存在

今となっては何の自慢にもならないが、松下電器という日本を代表する企業で働けたこと、分けてもその優秀な人材の中から選ばれて外部の研修機関に出向させてもらった事は私の半生で数少ない光栄事のひとつである。

 

研修同期生は勿論大企業や中央省庁のよりすぐりが勢揃いでそれなりの地位、役職に就いている者も多い。半年ほど前に触れたが同期生の中でも特に親しくしていた都市銀行勤務のHさんの訃報を受けて、思い出を語り合う掲示板が創設され私も一文を寄せた。

 

一週間ほど前、その掲示板を縁にリモート飲み会の案内が来た。発起人は名前も覚えていない人だったが卒業アルバムを見ると当時総合商社勤務、念の為名前で検索すると某企業の社長に就任している。

 

結論として私はその飲み会には参加しなかった。今の我が身と引き比べての僻みや遠慮もないとは言わないが、元々このようなエリートと呼ばれる人間とは根源的に何かが合わないのだ。

 

昨日、地元の同期仲間と一献を傾けた。

元々大学の同期3人で飲む予定だったが、たまたま高校の同期からコンタクトがあり、一緒に行かないか誘ったところ快諾してくれた。場所は鳥貴族。一昨日まで帰省していた息子にそのことを話すと「鳥貴族って学生が飲むところやで。」と笑われた。確かに昨日も我々を除くと皆若い世代ばかり。少なくとも還暦を過ぎたような客は居なかった。

 

我々の話題も9割が持病か健康診断の数値のこと。本来後ろ向きの筈の話題を豪快に笑い飛ばし、語り合い、あっという間に2時間の食べ放題のラストオーダー。高級な料亭やエリート達との飲み会ではこうは行くまい。

 

気のおけない友は本当に有り難い。来年も再来年もずっとこの飲み会を続けたい。