ペツト2

今日は朝から落ち込んでいる。こんなに落ち込んだのはいつ以来だろうという程落ち込んでいる。

 

ディスカスという魚がある。人呼んで「熱帯魚の王様」。王様というのはその美しさも勿論、飼育の難しさ、希少性にもその理由がある。貴金属が採れる量が少ないから値打ちがあるのと同様だ。当然値段も高く、今私の知る限り和歌山市内でディスカスを売っているベツトショップは1店のみ。500円玉大の仔魚が4200円。

 

私も7.8年前初めてディスカスの飼育に挑戦、何回もその厚い壁にはね返されてきた。長くて1年、大きさも5.6センチといったところ。とにかく水質管理が難しくちょっとしたことで体調に変化をきたす。

 

落ち込んでいるというのは、そう、初めて長生きしてくれたディスカスが今朝天に召されたからだ。長生きなどと言ったら亡くなったディスカスに申し訳ないが3年以上生きてくれたし、12センチ位にはなってくれていた。

 

また書く機会もあると思うが最近家のすぐ近くに熱帯魚店を発見、鰭の長い見事なエンゼルフィッシュがあったので求めると「お宅の水槽ではこの魚には狭い。」と言われたので思い切って大きいものに買い換えた。

 

無事エンゼルを迎え入れ、ディスカスも新しい水槽でより大きく、と願っていた矢先にディスカスの体調に異変が起こった。当該の店に相談に行くと「大きくなった水槽にフイルターの能力が追い付いていないのだろう。」とのこと。

 

通販などない(馴染みのない)昔の私ならその場で店でフイルターを購入、その日の内に設置を終えていただろう。そうしたら今もディスカスは元気に泳いでいたに違いない。

 

その場で買う決断が出来なかった私はパソコンとにらめっこで機種の選定に取り掛かった。そうしてようやくこのフイルターにしよう!と決めるのに2日、その商品が一番安く買える日を待つのに3日、配送に更に1日費やしてしまった。勿論この間もただ手をこまねいて見ていた訳ではない、ディスカスを隔離したり、水温を上げたりと知りうる限りの手は尽くしたつもりではいる。見た目にも一進一退のような見えた。だが実際はどんどん生命力は失われていたのだろう。

 

新しいフイルターが届いたのが今月2日。隔離していた水槽からディスカスを移すと今までディスカスにいじめられていた魚が逆に突きに来る。こりゃいかんと慌てて戻す。

 

本来であれば大きくなった水槽で我が物顔で主役を演じていた筈のディスカスが新居にほとんど住むことなく亡くなってしまった。こんな悲劇があろうか。

 

なんで大切なペットの生命に関わるものまで最安値にこだわってしまったのだろう。

 

私は通販が憎い。