笑いは進歩している?

今はテレビなしの人生など考えられない位どっぷりの生活を送っているが、そんな私も全くと言っていいほど接触していない時期があった。1982年の就職から1985年秋にアパートで一人暮らしを始めるまで。何しろ社員寮が相部屋でテレビを置くスペースなどなかったから仕方ない。期間にして僅か3年余りだがその間にもいくつかの大きな出来事があり、私の場合何と言っても秋ひとみさんがひっそりと引退していたことが大きいし、箕島高校が全国トップクラスの強さを誇っていた最後の輝きを見られなかったことは未だに痛恨事だ。明徳義塾戦、吉田高校戦など星稜高校戦に匹敵する試合をスコアでしか振り返ることが出来ないのは如何にも残念だ。

 

それと、これは後年分かった事だか私はダウンタウンの漫才をリアルタイムで見ていない。多くのM-1出場者が優勝するより松本さんの採点が高い方が嬉しいというの程の圧倒的な影響力だけでなく、香川登志緒さんのような演芸界の大御所までもが「漫才に革命を起こした。」と評したその芸に接する機会がなかったことは残念だ。

 

勿論今は配信万能の時代、見ようと思えばいくらでも動画は上がっているだろうが私は一本も見たことがない。「歌は世につれ世は歌につれ」と言うがお笑いも同様、やはり時代に応じた流行り廃りがある。だからダウンタウンの昔の漫才を今見て(皆が言うほど)面白くないじゃないかとと思ってしまう可能性もある。何となくだがそれが怖い。

 

 

志村けんさんが亡くなって2年になるのか。

「ドリフって仲いいんですか」と聞かれ…加藤茶、仲本工事、高木ブーが明かした“志村と長さんの本当の関係” | 文春オンライン

 

この記事は大変面白いのでそのまま読んで頂くとして、ではドリフの笑いはどうだろう。毎週日曜日夜にBSフジで放送されているが意外なほど古びて感じられない。

 

ドリフの笑いとその後の笑いの一番の違いは何か。ドリフの笑いはけして他人を傷付けない。一応親分(いかりや長介)は居るが最後は必ず子分にやり込められる。こう考えるとどこかチャップリンの映画にも通ずるものがあるようにも感じられる。チャップリンもいかりやさんもリハーサルの厳しさは今でも語り草になっているが、自らが笑い者になる自虐ネタという点でも共通している。

 

翻って今のお笑い界、タモリ、さんま、たけしのお笑いビッグ3っていつまで言わせておくつもりか。この3人に加えて、松本、浜田、太田、上田、内村、石橋、木梨・・・。星の数ほど芸人が居るのに誰か下剋上やってやろうという者はいないのか。上に挙げた顔ぶれは今や下からのヨイショだけで地位を保っているだけだからその気になれば不可能ではないと思うのだが。

 

今、自身の実力だけでその地位を保っているのは上沼恵美子さんくらいだと思うが。