努力なんて嫌いだ

滋賀県時代に同じ職場だった人が居る。私よりひと回り年上のそのおばちゃん(失礼)はとにかく怖いということで事業部内に勇名を轟かせていた。ちょっと言葉遣いがおかしいと怒られる、ほんのちょっとでも書類に不備があれば怒られる。

 

私がそのおばちゃんの職場に異動を命じられた時はもし逆鱗に触れたらどうしよう、会社を辞めるくらいでは済まないのではないか、それは大袈裟として送り出してくれる元の職場の人からは痩せられてええやんか、それくらいの脅しは受けた。

 

処が豈図らんや、いざ行ってみると私とそのおばちゃんは非常に相性が合い、遂にはご夫婦で我が家に招待するまでの仲になった。それだけではない、今でも年2回、極上の近江牛を送ってくださるのだ。つい最近も近江牛の焼肉1キロを受け取ったばかりだ。夫婦の夕餉なら4、5回分のおかずには十分だ。今から楽しみで仕方がない。

 

 

ビフォーアフターという番組(再放送)を毎週見ている。先日の回ではタレントのユージさんが仲間を連れて手伝いに来ていた。今の外見からは想像出来ないがユージさんは若い頃相当な悪ガキで連れてきた仲間も皆悪ガキだったが今は真面目に仕事をしている。彼らいわく「若い時に親に散々心配を掛けたので、その恩返しをしたい。」うーん。いい話だ。

 

でもこれが逆に子供の頃は優等生、親に何の心配も掛けることなく育った子供が大人になってグレはじめ「子供の頃は優等生やったので今心配させてるんや。」と言ったら総スカン間違いない。

 

子供の頃から不思議だった。

勉強は嫌いが当たり前なのに仕事が嫌いと言うと何故白い目で見られるのか。勉強が好きと言ったら気持ち悪がられるのに仕事が好きと言えば褒められるのか。どちらも国民の義務ではないか。

 

私は勿論両方嫌いだった。しなくて済むのならどちらもやりたくなかった。ついでに言えばクラブ活動とやらも大嫌いで高校でどうしても何かひとつのクラブに入らなければならなくなった時は1番何もやってなさそうな「映画研究会」に入った。実際暇だったが卒業アルバムにも無視されるような弱少クラブだったので他にどんな部員が居たのか全く記憶がない。

 

前にも書いたので詳述は避けるが私は入社試験はかなり上位の方で受かっていたらしい。これも前に書いたが昇格試験の面接もAプラスの評価が付いているたった3人に入っていた。もっともこちらは次の論文で大コケして合格出来なかったが。

 

結婚式のスピーチで全く女の子に全く人気がなかったことをバラされた私だが(そんなこと披露宴で言うか?)、不思議と年上のおじさん、おばさんからの受けは良かった。今の妻(って前の妻はないけど)も本人より先に向こうのお父さんに気に入られた側面が大きかったのではないか。怖くて聞く勇気がないが。

 

私ほどの努力嫌いの人間が何とか人並みの人生を送ってこれたのも持って生まれた年上キラーのお蔭かも知れない。

 

さぞや今度の同窓会でも・・・。これは高齢者同士だから駄目か。