双葉山が座右の銘とした木鶏の話もそうだが昔から名人伝の類の話が好きだ。
例えば弓矢の名人同士が対決したが何回弓を放っても弓同士がぶつかって勝負が付かなかったとか、ある剣豪が川面を一閃すると暫く水面が割れていたとか。
そんな中でも有名で、色々な話で語られるのが斬られているのに気付かないというパターンで例えば勝新太郎演じる座頭市ではこんなシーンがよく描かれる。酒場で、或いは賭場で酔客やヤクザに絡まれる座頭市、相手をしていられないとその場を立ち去るのだが立ち上がりざまほんの一瞬刀を抜く。相手は「逃げるのか、弱虫野郎。」とからかうのだが数秒後、彼のちょんまげが、着物の帯が切れて下に転がる。うーん、書いていても痛快だ。
5枚刃のシェーバーを買った。今まで使っていたのが3枚刃だから2階級特進(笑)。
早速使ってみた。肌に当てて最初に感じたのは全然剃れている感じがしないけど大丈夫?というものだった。外刃と内刃がうまく噛み合っていないに違いない。不良品か。買ったばかりなのに修理とか交換とか面倒だなあ。
そんなことを考えながら電源を切り、口元を触って驚いた。きれいに剃れている!しかも今までのシェーバーとは比較にならない位深剃り出来ている!エェっ、全然剃れている感じがしなかったのに!
そして思った。座頭市にちょんまげを斬られたチンピラもきっと同じ思いだったのだろうと。少し高かったが思い切って買って良かった。いつも「安物買いの銭失い」ばかりしている私には珍しいクリーンヒット!
そんな喜びをもたらしてくれた5枚刃シェーバーだがもう手元にない。
理由はまた追って書く。