似ている人

前の続きで、歳を重ねると死ぬこと以外に、いや、ある意味では死ぬこと以上に厄介な問題があった。痴呆である。

 

地下鉄サリン事件の頃「サリンは無味無臭って誰が試したんだ?」というブラックジョークがあったが痴呆に関しても同じことが言える。何故なら完全な「恍惚の人」から正常な状態に戻った人などいないから。だから惚けたら何も分からなくなるので却って幸せ、などと推測でものを言ってはならない。

 

子供の頃もう良くなっているのに親が優しくしてくれるので暫く体調の悪い振りをした経験は誰にでもあるだろう。同様にすっかり痴呆が進んでいると診断された人も何らかの計算づくで惚けた振りをしているとしても何らの不思議もない。

 

 

前置きが長くなった。インストールしているアプリに自撮りすると似ている有名人を捜してくれるという機能が付加されたので早速試してみると、この方が表示された。

https://mainichi.jp/articles/20211029/k00/00m/200/337000c

 

畏れ多くも人間国宝柳家小三治師匠。確かに似ているかも。私、落語はずぶの素人だが小三治さんはその昔から大のオーディオマニア、大のクラシック音楽ファンとしてそのご高名はよく存じあげている。思い出すエピソードもいくつかあるが興味のある人は殆どいないだろうから省略。

 

ここで私が今まで似ていると言われて来た有名人を紹介したい。

 

子供の頃はコント55号坂上二郎さん似と言われたが、これはその頃の一の友人が萩本欽一さん似だったので便宜上そう言われただけで実際はそう似ていないと思う。

 

「誰々に似ている」と言ってもその誰々がある程度有名でなければ元より人から指摘されることもないから気付く機会もないのだが、そういう意味で成人以降1番似ていると言われたのは何と言ってもローワン・アトキンソン(ミスタービーン)。これは本当によく言われた。ある時などショッピングモールで女子高生3人組とすれ違った後、ものの10秒もしない内に「ねえねえ、今の人ミスタービーンに似てなかった?」、「似てた!似てた!私も思った!」という笑い声が聞こえてきたこともある。

 

その時はそんな大声で話すなよ、話すにしてもせめて私が聞こえないくらいの距離に離れてからにしてくれよ、と些か腹も立てたものだが、箸が転んでもおかしい年頃のお嬢さん方の少しでも気を引いたのかと思うと今は素直に嬉しい。それにローワン・アトキンソンさんは同じイギリス人でチャップリンの再来とまで言われた人、嬉しくない筈がない。

 

次に似ているとよく言われたのはカルロス・ゴーン。かつては日産のみならず日本経済の