敬愛するオーディオ評論家、長岡鉄男さんは言った。
「CDの平均の音はレコードの平均の音より遥かに上だ。でも最高のCDの音は最高のレコードの音に及ばない。」
同じことが日本人の面貌についても言える。一般人にせよ、有名人にせよ男女とも日本人の顔は整い、美しくなった。それは間違いない。でも最高の人同士で比べるとまだまだ及んでいないように思える。吉永小百合さんほど美しい女性がその後現れたか?
男性も同様だ。今見ている昔のドラマに加藤剛さんが出ているのだがそのこぼれ落ちるような美男子ぶりたるるやどうだ!私の知る限りこれ程のイケメンは今に至るも絶対に居ない、と断言出来る。
そのドラマの中で加藤剛さんはよくいなり寿司を食べている。好物という設定なのだろう。これは私も食べない訳には行かない。
近くのよく行くスーパーに行った。小さめのいなり寿司が6個で184円(税込み198円)。3バックあった。財布を見ると500円硬貨、100円硬貨と1円が丁度4枚ある。198x3=594円だから604円出せばお釣りが丁度10円。意気揚々とレジに並んだ。処が
「596円になります。」
ええっ!なんで〜?
そう言えば思い出した。平成元年の消費税導入時、私は毎週週刊文春を購読していたのだがそれまではきっちり300円だったのがある店で突然「299円です。」と言われて戸惑ったことを。出版社側は四捨五入で300円になるよう本体価格を付けているのだが最初から切り捨て計算すると決めている店もあり、同じ本でも店によって値段が違うという事態を生じることとなったのだ。
今回のいなり寿司はと言うと、184x1.08=
198.72円、小数点以下切り捨てで198円。一方3バック買うと552x1.08=596.16円。う~ん、仕方ないか。たった2円が惜しいのではない。小銭を減らしたいという念願が叶わなかったことが悔しいのだ。何のために暗算して3パック買ったのか。
西川のりおさんがある時、週刊誌を買って新幹線に乗ると前の座席の網棚に同じ本が捨てられていて一生の不覚を取ってしまった程のショックを受けたと話していたが、その気持ち、痛い程分かる。
本当についていない日だ。でも久し振りに食べるいなり寿司は美味かった。