占いとは

ゲゲゲの鬼太郎」は子供の頃から大好きなアニメで欠かさず見ていたが、毎週聞くテーマ曲にどうしても引っ掛かる部分があった。お化けの世界は学校も試験もないのは非常に羨ましいのだが、夜は墓場で運動会をする?勉強は嫌だが運動会はもっと嫌だ。自分のせいでリレーに負けたりしようものならお化け仲間に何をされるか分かったものではない。だから当時の私はさんざん迷った挙句、泣く泣く現世の学生生活を選んでいた。

 

水木しげるさんが今年生誕100年ということでいくつかの特集番組があった。その水木さんが兵隊に駆り出された東南アジアの森林で夜中にアメリカ軍の猛追を受けた時の話。

 

真っ暗闇の中、ひたすら敗走を続けていると突然ヌルヌルした壁のようなものにぶち当たった。押しても叩いてもびくともしない。もうどうにでもなれ、とその場で一夜を過ごした。疲れで寝込んでしまい翌朝目を覚ますと何とすぐそこが断崖絶壁だったという。

 

後に水木さんはあれこそが「ぬりかべ」で自分は妖怪に助けられたのだと気付いたことがこの世界にのめり込むきっかけとなった。

 

この話、少なくとも作りものでないだろう。では壁にぶち当たったのは?すぐそこが断崖だったのは?全てが水木さんの錯覚だろうか。それとも偶然?私にはそうは思えないのである。