暴れん坊将軍

以前、「時代劇が好き」と書いたが”暴れん坊将軍”を初めて見て未だ1年にもならない。

 

何より意外だったのは敵役の侍(幹部職)が目の前の人物を将軍と認識しても、水戸黄門のように平身低頭とはならず、そればかりか配下の侍に(将軍の)斬り捨てを命じ、彼らもそれに従うことである。

 

組織(会社)で言うと課長の命令で社長に刃を向けるようなもので、日本ではまず考えられない所業である。

 

ところが、歴史に詳しい知り合いに聞くと武家社会では直属の上司の命(めい)こそが絶対であって、むしろ水戸黄門の方が正しくないとのこと。

 

そして、世界中のことは知らないが、少なくとも欧米の組織では今でも侍と同じく、直属の上司第1主義が一般のようである。(理由は簡単。自分の給料の決定者だから。)

 

(*)この辺の事情は井口俊英氏著「告白」に詳しい。興味のある方はご一読を。

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少なくとも江戸時代までは直属の上司第1主義だった日本が明治以降、いかなる契機で「トップのご意向」第1主義(=忖度?)になったのか、考察するに値するテーマのように思える。